ポーカーにおける「3ベット」とは、プリフロップでのレイズに対して行うリレイズのことです。
初心者にとっては勇気がいるアクションかもしれませんが、勝利を引き寄せるための強力な戦略です。
3ベットを適切に活用することで、相手にプレッシャーをかけたり、ポットを大きくしたりすることができます。
この記事では、3ベットの基本的な概念や戦略的な使い方について詳しく解説します。
ポーカー初心者から中級者まで、あなたのゲームを次のレベルへと引き上げるためのヒントが満載。
3ベットの基本や活用法を理解し、ぜひポーカーで実践してみてください。
ポーカーの「3ベット」とは?

ポーカーの「3ベット」は、リレイズの基本単位として認識されています。
3ベットによりポットを大きくしたり、相手をフォールドさせたりする戦略として活用できます。
ここでは、ポーカーの基本となる3ベットの基本概念や役割について見ていきましょう。
3ベットの基本定義と役割
ポーカーにおける3ベットとは、前のプレイヤーのレイズに対して再度レイズを行うアクションを指します。
3ベットには、強力なハンドの価値を最大化することや、リンプ(レイズせずにコールする)プレイヤーやブラインド(SB、BB)をフォールドさせて即座にポットを獲得する効果があります。
プレミアムといわれるAA,、KK、 QQやハイカードなど強い手札は、プリフラップの勝率は非常に高いハンドレンジです。
しかし、ミドルやスモールポケットペア(88、99、22など)、スーテッド(トランプのマークが同じ)あるいはコネクター(78、9T、JQ)といった投機的ハンドに敗れることもあります。
そのため3ベットすることで、強いハンドとのヘッズアップ(1対1)になるよう、価値を高める役割としても重要なアクション。
3ベットは、強いハンドを象徴するだけでなく、積極的なプレイヤーという印象を相手に与え、攻撃的なテーブルイメージを形成する手段でもあります。
3ベットがポーカー戦略に必要な理由
ポーカーにおいて3ベットを使うことでイニシアチブを獲得し、ハンドのリードを取りやすくなります。
これにより、フロップ後の展開を有利に進めることができ、ボード(コミュニティカード)に役が完成しない場合でも継続ベットでポットを獲得できます。
強いハンドや完成したハンドを持っている場合、3ベットはバリューを最大限に引き出すための効果的な手段です。
プリフロップでポットを膨らませ、より多くのチップを獲得できるでしょう。
さらに、3ベットは自身のレンジを拡大し、相手の読みを困難にする効果もあります。
マージナルなハンドという中間層の手札でも3ベットをすることで、本当に強いハンドでコールをもらいたい時に相手を油断させることが可能です。
また特にレイトポジションであればマージナルハンドや弱手でも、3ベットすることで相手を降ろすチャンスが高まります。
3ベットを適切にプレイできれば、ゲームコントロールの幅が広がり、より多くの利益を得る機会を作り出すことができます。
ポーカーの3ベットに合ったハンドを選ぶには

3ベットに適したハンド選びは、勝率を上げるための必要なスキルです。
強いプレミアムハンドはもちろん、状況によってはミドルペアやスーテッドコネクターなども3ベットの候補となります。
3ベットの効果を生かすために、適切なハンドレンジを学んでおきましょう。
おすすめの3ベットハンド
プリフロップで3ベットを行う場合の基本となるハンドレンジを見ていきましょう。
- 紫:プレミアムハンド
- 緑:セミストロングハンド

3ベットの目的は、弱いハンドを降ろし、強いハンドとヘッズアップするまたは、ハンドのバリューを取ることです。
そのため、ポジションとは関係なくAA、KK、QQといった紫色のプレミアムハンドは3ベットのマストハンドといえます。
緑の表示は、AJやATのスーテッド、TT、99のポケットペアといった3ベットに適した中程度のセミストロングハンドです。
特にHJ(BTNの2つ前)、CO(BTNの1つ前)そしてディーラーボタン(BTN)というレイトポジションでは積極的にセミストロングハンドで3ベットがおすすめ。
投機的ハンドというポテンシャルが高いハンドレンジでも、3ベットをする方が有利になる場合があります。
以下のチャートに示したハンドは、完成した時に相手に読まれにくく大きなポットを獲得しやすいのが特徴です。
- 紫:コネクター
- 緑:スモールポケットペア
- 橙:ワンギャップスーテッド
- 青:小さいスーテッドA

自分のポジション、スタック量、相手のプレイスタイルに合わせて3ベットすることで利益を得られるほか、フラップで外したらフォールドしやすいハンドでもあります。
3ベットのハンド別メリットとリスク
プレミアムハンドの3ベットはバリューを最大化できるのがメリットです。
一方で、強手と察知されやすく、逆にバリューを取らず降ろしてしまうリスクもあります。
セミストロングハンドは、3ベットすることで相手のレンジを絞ることが可能。
ただし、フロップにオーバーカードが出た場合のプレイが難しくなります。
スーテッドのコネクターは、相手に手札がばれにくいだけでなく、ナッツ(最強ハンド)を作れる3ベットに適したハンドです。
フラップ後の展開によっては弱い手になることもあり、スキルが問われるハンドでもあります。
スモールポケットペアは、3ベットでは想像しにくいハンドなのでアグレッシブなプレーヤーに効果を発揮します。
AKやAJといったハイハンドとのヘッズアップでも有利ですが、オーバーカードのフロップでプレイが難しいため、ヒットがない場合はフォールドしてダメージコントロールを図ることも重要です。
ポーカーの3ベットした後の3つの対応法【状況別】
ポーカーにおける3ベット後の対応は、勝敗を左右する重要な要素です。
相手のアクションに応じた柔軟な戦略を持つことで、ポットを獲得しやすくなります。
ここでは、3つの主要な状況別の対応法を解説します。
- 3ベットにコールされた
- 3ベットにリレイズ(4ベット)された
- 3ベットでオールイン請求された
3ベットにコールされた
3ベットにコールされた場合のシナリオを、解説していきます。

あなたはBTN(ボタン)でA♥K♥をもっているとします。
CO(カットオフ)の相手がイニシャルベット(最初にベットした人)でそれに対し、3ベットしました。
するとその3ベットにCOがコールする形でフロップが開きました。
フロップはQ♥5♥J♠で、あなたのハンドはヒットしませんでした。
COがチェックした場合、あなたはハートのフラッシュドローとストレート、あるいはストレートフラッシュの期待値が高いハンドです。
そのため、ポストフラップ(3枚のコミュニティカードの後)は、ベットするのがよい戦略といえるでしょう。
相手のCOがローカードであれば降ろせるほか、同じフラッシュ狙いなら圧倒的に勝率も上がります。
3ベットにリレイズ(4ベット)された
レイトポジションといわれるHJ(ハイジャック)、CO(カットオフ)、BTN(ディーラーボタン)で3ベットを仕掛けた時、相手が4ベット(さらなるリレイズ)を返した場合は、相当強い手札と推測できます。
相手はAA、KK、QQもしくはAK、AQスーテッドの強い手を持っている可能性が非常に高くなります。
その際、自分のスタックが深く、相手のスタックをカバーできる量であれば、コールしてフロップを見るのも得策です。
スタックが少ない場合は、フロップ後にオールインの可能性もあり、慎重にアクションを検討する必要があります。
ただし、相手がアグレッシブなプレイヤーであれば、ブラフの可能性も高いため、逆に有利な展開になることも十分考えられます。
3ベットでオールイン請求された
スタックが少ない場合、AK、AQ、AJといったエースのハイカードでの3ベットには注意が必要です。

相手は弱い手札を持っていても、ショートスタックを降ろそうと4ベットやオールインに追い込むようプレッシャーをかけてくる可能性があります。
これは、3ベットに適したハンドレンジというよりも、ショートスタックに対してアグレッシブなアクションを仕掛ける戦略です。
プレミアムハンドであるAA、KK、QQを持っている場合は、オールインすることでダブルアップを狙うチャンスがあります。
しかし、エースハイはポケットペアやフラッシュドロー、コネクターと比較してプリフロップでは役を作りにくいハンドでもあります。
プリフロップでは、リスクを軽減するためにコールやチェックで様子を見る戦略も検討すべきでしょう。
3ベットで勝率を高めるための心理戦と読み
ポーカーの3ベットにおいては、心理的観点から相手の傾向を見極めることも重要です。
単にベット量に注目するのではなく、相手の手札や戦略を見抜く力が勝率向上につながります。
相手の行動パターンや反応から読み取れるプレイヤーの特徴を解説します。
相手の反応を読む
3ベットに対する反応は、相手のプレイスタイルを理解する手助けとなります。
タイトなプレイヤーは通常、プレミアムハンド(AA、KK、QQなど)しか3ベットしないか、または3ベットに対してコールすることが多いです。
このため、タイトなプレイヤーからの3ベットには注意が必要であり、強いハンドでない限りフォールドする選択肢も検討しましょう。
一方、アグレッシブなプレイヤーは、3ベットに対して4ベットで返してくる傾向があります。
彼らは広いレンジで応戦するため、3ベットを受けた際には自分のハンドの強さを再評価する必要があります。
アグレッシブなプレイヤーからの4ベットは、彼らが強いハンドを持っている可能性が高いことを示唆していますが、一方でブラフの確率も非常に高いです。
そのため、相手の傾向やテーブルダイナミクスを観察し、自身のハンドと状況に応じた適切な判断を下すことが求められるでしょう。
ブラフで3ベットするときの注意点
自分のスタックが小さい場合、ブラフでの3ベットはリスクが高くなるため、控えるようにしましょう。
特に、ターンやリバーでハンド完成への期待値が低い時は、ブラフ3ベットは適切ではありません。
またブラフの3ベットを頻繁に仕掛けると、自分のテーブルイメージをルーズに印象付け、マイナスに影響することがあります。
強いハンドで3ベットした時に、本来降ろせるコネクターやポケットペアがブラフと判断され、コールするプレイヤーが多くなります。
そうなるとフロップ後の展開が不利になります。プリフロップでは、特にポジション外からの無理な3ベットは避け、タイミングを見計らいましょう。
相手の傾向を把握することも、ブラフでは非常に大切です。
相手のプレイスタイルや3ベットに対する反応を観察し、ブラフ3ベットが効果的な相手を選んで実行することが重要です。
また、フォールドエクイティ(ポットの取り分)を考慮し、相手がフォールドする可能性が十分にあることを前提にブラフを行う必要があります。
状況に応じたブラフ3ベットを活用し、より効果的な戦略に役立てましょう。
ポーカーの3ベットの成功例と失敗例
ポーカーの3ベットは、タイミングやポジション、スタック量によって成功するケースと失敗するケースがあります。
両者の具体例とポイントを解説しますので、効果的な3ベット戦略の理解を深めましょう。

3ベットの成功例とポイント
アーリーポジションでスーテッドのコネクターの7♠8♠を持っていたと仮定します。

プリフラップで一番最初にアクションをするポジションのUTG(BBの左隣)でレイズをしました。
この場合アーリーポジションのあなたは、ミドルレンジのコネクターで、フラッシュを狙えるため、3ベットを仕掛けましょう。
3ベットアクションにより、あなたの後方がフォールドするのを促すだけでなく、SBやBBもフォールドさせることが可能です。
また、最初にアクションしたUTGが、ブラフのためのベットであれば降ろせる可能性が高く、ポットを獲得できます。
しかも、最初にUTGがドンクベッドをしたおかげで、3ベットのあなたの手札のほうにやや優先権が生まれ、信憑性が高くなるのも3ベットの特徴。
相手がタイトプレイヤーなら、フロップを引けなかった場合、AK、AQ、AJなどのハイカードも降ろせる戦略的な手法です。
3ベットの失敗例と避けるべきポイント
自分がBTNでJJのポケットペアを持っているとします。

プリフロップで、アーリーポジションの相手がレイズをしました。
そこで、セミストロングハンドのJJで3ベットをしたところ相手のコールでフロップが開きます。
フロップは、A♥K♥9♠でした。
相手がチェックしたため、Cベット(コンティニュエーションベット)で大きくベット。
すると、リレイズでオールインに追い込まれました。
この場合、プリフロップの時点で相手の持っているハンドにはAとの組み合わせの可能性が非常に高いと考えられます。
JJはプリフロップで有利な中強のハンドですが、フリップにオーバーカードが下りた場合は注意が必要です。
相手のチェック-レイズは非常に強いレンジを示唆しており、AK、 AA、 KK、 セットなどの可能性があります。さらに、ハートのフラッシュドローも考慮する必要があります。
このような状況では、Cベットを控えめにするかチェックバックしてターンを見る方が安全です。強いハンドでも状況によってはフォールドできる決断力も身につけましょう。
ポーカーの3ベットに関するよくある質問
3ベットは、ポーカー戦略の重要な要素ですが、初心者にとっては単純な疑問も湧いてくるでしょう。
3ベットに関する質問を2つ取り上げてみました。
回答を通じて、ポーカーの3ベットの特徴を理解し、プレイの参考にしてみてください。
- オンラインとライブでは3ベットの効果は違いますか?
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オンラインポーカーとライブポーカーでは、3ベットの効果は異なります。
オンラインでは、多くのプレイヤーが複数のテーブルで同時にプレイしているため、アクションの決定に費やす時間が限定的です。
そのため、3ベットに対してもより軽率にコールする傾向があります。
一方、ライブポーカーでは、3ベットの重みがより大きくなります。
プレイヤーは一つのテーブルに集中しており、各アクションをより慎重にプレイします。
そのため、3ベットは相手に強い圧力をかけ、多くの場合、弱いハンドや中程度のハンドを降ろさせることが容易なのです。
- 3ベットは6人卓と9人卓どっちが有利ですか?
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3ベットの効果は、6人卓と9人卓で異なります。
6人卓では、順番の回ってくるタイミングが速いため、より積極的なプレイが求められます。
プレイヤーが広いレンジでプレイする傾向があり、3ベットの機会も多いのが特徴です。
アグレッシブなアクションは6人卓では一般的で、ブラインドを守るためや、3ベットを使ってポジションを奪い取る目的で頻発します。
一方、9人卓では、強いハンドの出現率が相対的に高くなります。
プレイヤー数が多いため、アグレッシブなベットよりもポジションを重視したプレイが重要です。
3ベットは特に、レイトポジションで、6人卓よりもより強力な武器となり得ます。
結論として、6人卓では3ベットがより頻繁にかつ効果的に使用できる一方、9人卓では状況をより慎重に見極めて使用する必要があるといえるでしょう。
ポーカーの3ベットは攻めの基本!

ポーカーの3ベットは攻めの基本戦略です。
相手のアクション別に次の展開をシミュレーションしたり、アグレッシブに攻めたりできるスキルが求められます。
3ベットはポットコントロールやレンジ調整にも役立ち、ポーカー戦略固めには欠かせないアクションです。
今回解説した内容を参考に、3ベット戦略を身につけ、ぜひ実践してみてください。