ポーカーの「コール」や「レイズ」は、ゲームを進めるうえで欠かせない基本アクションです。
プロのポーカープレイヤーは、これらのアクションを繰り返し練習し、状況に応じた最適な判断を身につけています。
本記事では、各アクションとポジションの関係や効果的な使い方、応用まで詳しくお伝えします。
また練習方法や便利なツールについても紹介していますので、ぜひこの記事を参考に、実戦での勝率アップにつなげてください。
- ポーカーにおける「コール」「レイズ」「チェック」の基本動作
- ポーカーの各アクションを使うタイミング
ポーカーにおける「コール」と「レイズ」とは?

ポーカーでは、さまざまなアクションがあり、それぞれに戦略的な活用法があります。
ここでは、ポーカーの行動で最も基本となる「コール」と「レイズ」について詳しく解説します。
コールとレイズの基本的な意味
ポーカーの「コール」とは、自分の順番までに賭けられたチップ量と同じ額をベットすることです。
たとえば、BB(ビッグブラインド)が50でSB(スモールブラインド)が25の場合、他のプレイヤーが50ベットしていれば、同じ額を賭けるのが「コール」です。
「コール」を選ぶことで、プレイヤーは現状の賭け金に合わせてゲームに残り、次のカードを見られるようになります。
一方で「レイズ」は、既存のベット額にさらに追加して賭け金を増やすアクション。
直前のベットの2倍をかける「ミニマムレイズ」や、誰かのレイズをもう一度レイズする「リレイズ」という使い方が一般的。
「レイズ」は、強い手札を持つ際やブラフで相手を揺さぶりたい場合に使う手法です。
「コール」は相手に自分のハンドを悟られにくく、「レイズ」では強いハンドを印象付ける効果があり、上手に使いこなすことで自分に有利な展開を作り出せます。
- コール:相手に自分のハンドを悟られにくくする
- レイズ:相手に自分のハンドを強いと思わせる
コールとレイズ、チェックの違い
ポーカーの「コール」「レイズ」「チェック」はゲーム進行の基本的な選択肢です。
「コール」は、相手のベットに合わせて同額を賭け、ゲームに留まる方法です。
相手の手札やボードの状況から、自分の手札で勝てる可能性があるかどうかを見極める必要があります。
「レイズ」は、自分の手札が強いと確信した場合や、攻めの姿勢を見せたいときに、既存のベット額より高い額を賭けてプレッシャーをかけるアクション。
高額なレイズで、相手にフォールド(ゲームを降りる)ことや、ヘッズアップ(1対1の対戦)に持ち込み勝率を上げるチャンスにもなります。
一方「チェック」は、だれもアクションを起こさない行動で、ベットせずに次のカードに進行する流れとなります。
- コール:相手のベットに合わせて同額を賭ける
- レイズ:既存のベット額より高い額を賭ける
- チェック:ベットせずに次のカードに進行
- フォールド:ゲームから降りる
ポーカーの「コール」と「レイズ」を使う時のコツ【初心者向け】
「コール」と「レイズ」は、基本的な使い方を押さえ、プレイ中に効果的に活用しましょう。
初心者が陥りやすいミスについても回避できるよう詳しく解説します。
実際のプレイにぜひ役立ててください。

コール・レイズの使い方
ポーカーの「コール」は、相手のベットに対して同額を賭けるアクションです。
これだけでは新しい情報を得ることができないため、相手が強い手札を持っているかどうかを見極めるためには「レイズ」が重要です。
その時、ミニマムレイズでは相手に容易にコールされてしまうため、相手をフォールドさせたい場合は大きくレイズすることが求められます。
さらに、自分の前で「レイズ」された際には、自分の手札の勝率や期待値を考慮して、コールまたはリレイズの判断も大切。
初心者はすべての状況でコールせず、時にはフォールドを選ぶことでリスクを管理できます。
特にレイズを行う際には、後のプレイヤーにオールインを迫られる可能性も視野に入れ、臨機応変にプレイできるのが理想です。
コールとレイズのミス
ポーカー初心者がよく犯すミスの一つは、レイズすべきハンドでリンプ(プリフリップでコール)してしまうことです。
弱いハンドで参加させる機会を作ってしまうため、相手に優位な状況になる可能性があります。
また、コールやレイズの後のアクションを予測できていないのも初心者の弱点です。
相手の反応に対応できず、フォールドすべきタイミングを見失うと、無駄にチップを失ってしまいます。
さらに、コールとレイズの考え方はトーナメントとキャッシュゲームでも異なります。
トーナメントはチップ量だけでなくゲームに留まることも課題ですが、キャッシュゲームは1ハンドごとの完結です。
そのためチップの価値やブラインドの変動を考慮しなくて済むという特徴があります。
初心者はこれらのポイントを意識してプレイすることで、より効果的な戦略を身につけることができるでしょう。
コールとレイズ、チェックのタイミングを知ろう
「コール」「レイズ」「チェック」をポーカー中に、タイミングよく行うためのポイントをつかんでおきましょう。
ポジション別の適したアクションについても具体的に解説します。
タイミング別の選択肢
ポーカーをプレイする際に、ハンドのアクションで重要になるのがポジションです。

「コール」「レイズ」あるいは「チェック」は、ポジションで判断する必要があります。
以下の表は、BBの左隣、ゲームの一番最初にアクションを起こすUTGポジションのハンドレンジです。

UTG(アンダー・ザ・ガン)を含むアーリーポジションと呼ばれる位置では、後方のプレイヤーに攻撃の優位があるためタイトなプレイが無難です。
上記のようなプレミアムハンドは、リンプではなくレイズするのが適切。
ミドルポジションは、アーリーポジションよりも有利ですが、以下のハンドレンジではレイズ、もしくはアーリーポジションのレイズをコールするのがよいでしょう。

CO(カットオフ)BTN(ディーラーボタン)をレイトポジションといい、テーブルの中で攻めのゲームを展開しやすい位置となります。

前方のプレイヤーのレイズをほとんどのハンドでコールすることができるほか、自分が最初にアクションする場合も広いレンジでレイズができます。
相手のベット額に対するコールとレイズ
自分より前方のプレイヤーがベットした場合、次にどのアクションを取るかは、前述のハンドレンジを活用して決めます。
たとえば、自分が最初にオープンレイズする場合、一般的にBBの3倍のベット額が標準とされます。
すでにBBの3倍ベットで進行している場合は、プレミアムハンドがない限りコールでフロップを見るのが適切です。
もし、ミニマムベット(BBの2倍)であれば、コールで様子を見るか、リレイズでプレッシャーを与える戦略も◎。
リレイズ時のベットサイズは通常BBの4倍が基準ですが、AAやKK、QQといったプレミアムハンドで相手をオールインに誘導したい場合は、さらに高額でリレイズするのも効果的です。
また、自分がアーリーポジションでレイトポジションのプレイヤーやSBから3倍以上のリレイズを受けた場合、ハンドレンジ内でもトップティアのプレミアムハンド以外は、フォールドすることでチップを守るのが得策です。
相手のスタック量と自分のスタック量を比較し、高額レイズをする際には、オールインのリスクとリターンを見極めるようにしましょう。
チェックを使いこなすタイミング
「チェック」は、フロップが開いた後、自分の順番でベットせずに次のプレイヤーへアクションをパスする行動です。
フロップで弱いハンドや完成の余地があるドロー(未完成ハンド)をもっているときは、チェックを選ぶとよいでしょう。
次のカードを見るためのコストを抑えられるだけでなく、相手に自分の手の内を悟らせない戦略的な手段でもあります。
役がすでに完成している場合でも、チェックすることで相手を油断させる効果があり、スロープレイ(強いハンドを隠すプレイ)として活用できます。
ただし、全員がチェックを選ぶとラウンドが自動的に次に進むため、積極的にポットを増やしたい時や、相手にプレッシャーをかけたい場合には逆効果になることもあります。
勝率を上げるコールとレイズの応用テクニック
ポーカーの勝率を上げるための、コールとレイズの応用について見ていきましょう。

ポーカーは完成ハンドが強いだけでなく、獲得できるポット(チップの量)が多いほどトーナメントでも上位に残りやすくなります。
コールとレイズの応用で知っておきたいテクニックを解説します。
相手の行動を読む
コールとレイズを効果的に応用するためには、相手の行動を読むことが必須です。
まずは、同卓の相手の反応やベットの傾向を観察しましょう。
強いハンドで必ずレイズするプレイヤーや、ブラフの際に小さなベットをする癖を見逃さないことが肝心です。
また、ベットの一貫性やリズムにも注意を払うと、相手の思考を予測しやすくなります。
相手の表情や手の動きもアクションのヒントになるため、情報を集約し、より効果的な作戦を仕掛けられるように準備しましょう。
コールとレイズ使い分けの心理的効果
コールとレイズの使い分けで、心理的効果を与えることができます。
自分のハンドに関係なくレイズすれば、相手にフォールドさせるプレッシャーとなります。
逆にフラットコール(単にコールすること)を選ぶことで、相手のベットやレイズに対して柔軟に対応できるため、冷静にプレイを続けつつ相手の動きを観察できます。
コールとレイズを上手に使い分け、相手の思考を揺さぶり、優位に立つチャンスを広げていきましょう。
コールとレイズを使いこなすための練習法
コールとレイズを使いこなすためには練習が大事。
最近ではオッズ計算機やハンドレンジなどを解析するツールも豊富です。
ここではコールとレイズの練習方法を解説します。

ツールを使った反復練習
コールとレイズを戦略的にアクションに取り入れるために、ツールの活用がおすすめ。
ポットオッズは、ポット内のチップの量に対して、コールするために必要なベット額の比率です。
ポットオッズを知ることで、特定の状況でコールする価値があるかどうかの判断が容易になります。
たとえば、ポットオッズが3対1の場合、成功する確率が33%以上であれば、コールする価値があるという考え方です。
以下の表では、ヘッズアップになった際のオッズを参考に表示しています。

このようなオッズを計算する便利なアプリやサイトを利用することができます。
Poker Odds Calculator
アプリで高評価を得ている「Poker Odds Calculator」が人気です。

CardPlayer
ブラウザ上で操作が簡単な「CardPlayer」もPCでのオッズ計算におすすめ。

GTO wizard
プリフロップでのハンドレンジや、完成確率の高いシュミレーションには、「GTO wizard」がおすすめです。
ポジショニング別のハンドレンジやベットなど、さまざまな角度から解析を得るだけでなく学習機能も満載のツールです。
プレイの反省ポイントを明確に
ポーカーで上達するためには、プレイごとに反省点を洗い出すのが重要。
実際のゲームで犯したコールやレイズのミスを分析することで、次のプレイでの精度を高めることができます。
具体的には、「ポーカー日記」を活用してセッションごとの状況や行動を記録するのがおすすめ。
手札、フロップ、ベットの流れ、勝敗の要因などを書き留めて可視化すると、明確な改善点が浮かび上がります。
ミスが軽減し、成長を感じられるとモチベーションも維持しやすくなるでしょう。
ポーカーのコールとレイズでよくある質問
ポーカーの「コール」と「レイズ」に関する質問をご紹介します。
ポーカーでは判断のスピードも勝率を決める大事な要因。
Q&Aを参考に実践でも生かしてみてください。
コールとレイズはどちらを優先すべき?
コールとレイズの優先順位は、状況やポジションに応じた総合的な判断で変化します。
プレミアムや強い手札を持つ場合、レイズすることで自分の強さを示し、相手にプレッシャーをかけられるのがメリット。
一方、手札が弱い場合やリスクを避けたい場面では、コールで様子を見ることが無難なケースも。
冷静な視点でアクションを選択し、流れを見極めることが勝率を上げる鍵となるでしょう。
コールとレイズ、迷った時の判断基準は?
コールかレイズか迷ったときは、まず手札の強さとボードの期待値を再確認します。
特にアグレッシブな相手の場合、強気のベットがブラフである可能性もあるため、慎重な判断が求められます。
自分と相手のスタックサイズや、ポットオッズも参考にしつつ、勝算が見込めない時はフォールドも視野に入れるのが安全策です。
相手の次のアクションも必ず予測しながら、冷静にプレイしましょう。
ポーカーのコールとレイズをマスターしよう!
ポーカーにおける「コール」と「レイズ」は、ゲーム進行の基礎となる重要なアクションです。

これらを使いこなすには、ポジションやスタック量、相手のプレイ傾向などを総合的に判断する力が必要で、それが勝因を大きく左右します。
また、ポーカーでは迅速な意思決定が求められるため、事前にツールを活用してシミュレーションを重ねておくと安心です。
的確なコールやレイズで相手の思考を揺さぶり、自分のペースでゲームを進められるよう、基本をしっかりマスターしていきましょう。